ポンコツ金融ウーマンの本棚。

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ブックレビュー(6)『会社を使い倒せ!』ーアクションを起こそう、自分から!

「会社を使い倒す」。前からずっと、もっと、自分はそうしたいと思っていた。だからこの言葉と、自分の感じていたことがぴたりと合った感覚がして、たまたまウェブで見かけたこの本をすぐに購入した。本を手に取りパラパラとめくると、文章にちりばめられた著者の使う言葉が不思議と自分に馴染む感覚があり、積ん読本の数々を差し置いて早速読み始めた。

 

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『会社を使い倒せ!』小野直紀(小学館集英社プロダクション

 

著者は、日本を代表する広告会社、博報堂に入社し、社内でmonomというプロダクト・イノベーション・チームを設立、その代表を務めている。広告会社は本来、言わずもがなクライアントありきのビジネスモデル。通常、自らモノづくりはしない。しかし、著者はあえて広告会社がモノづくりをするという、異質なものの掛け合わせをすることにより、新しい価値を生み出そうと挑戦している。

 

自らのキャリアも異質なものの掛け合わせだった、と主張する著者は、「今いる会社で自分のやりたいことができない」と感じている人こそ、異質なものを掛け合わせるチャンスだと述べる。自分の本当にやりたいことと、会社を掛け合わせる。そこに、新しい可能性が生まれる。

 

転職や起業という選択肢もあるなかで、会社に残り会社を使い倒す、つまり会社の人やネットワーク、資金等を前向きに利用することで、自分のやりたいことを実現する選択肢も知ってほしい、と説く。

 

本書は、大きく2部構成となっている。STAGE 1では、著者がどのようにやりたいことを見つけるに至ったかが述べられている。著者ははじめから博報堂でモノづくりがしたいと考えていたのではなく、様々なプロセスを経て本気でやりたいことを見つけたのだという。時間をかけてやりたいことを見つけた著者のキャリアは、「やりたいことが見つからない、わからない」と悩む多くの人を励ましてくれるかもしれない。続くSTAGE 2では、それをいかに会社というリソースを使い実現していったかが、具体的なプロジェクト例とともに紹介されている。リスクを取りながらも会社と徹底的に向き合うことを勧める著者のプロセスは、参考になる点が多い。

 

何か仕事に対してモヤモヤを抱えつつも、まだまだ社内でやるべきこと、できることが残されていると感じている人には、おすすめの書だ。私自身も、今の環境でまだまだ挑戦し続けていこうと感じさせられた。折にふれて読み返したくなる、ビタミン剤のような本だ。